読書のすすめ
さいきんまた読書熱があがってきました。
読めるときは一日一冊ペースです。
3冊ご紹介。
1.キッチン 吉本ばなな 初版発行1988年
国内外で多くの人に愛されていて評価の高い作品です。
この年齢になってようやく身に沁みてわかる大切な家族との別れ。
いつかはやってくるとはわかっていてもこれは実際に体験しないとわからないもの。
昨年、だいすきな祖父が亡くなりました。その時にあふれた初めての感覚と感情。
たくさんの愛情を与えてくれた思い出と記憶はずっと心に残るものと知りました。
そんな経験があるひとに一度は読んでもらいたい。
2.火花 又吉直樹 初版発行2015年
すっかりブームに乗り遅れてようやく手に取りました。
言わずと知れた注目作。そういえば芥川賞と直木賞のW受賞ものだったのか、と改めて。
純文学に分類されるだけあって、物語の中で紡がれる言葉の難易度が高い。
その代わり、登場人物は少なくてストーリーはつかみやすいです。
芸人が夢を追うストーリーってよく聞くけど、確かにそうなんだけど。。
わたしは違う角度からご紹介。
又吉が傾倒している太宰治作品に真意が近いのが特徴的。
いつの時代も、人はいろんな感情の波や自分へのコンプレックスへの苦悩を抱えながら、
社会にどうにか順応して生きていこうとしているものなんだ、ということ。
個人的に太宰治と夏目漱石がすきな理由は、こういうことを教えてくれるからすきです。
火花の文面は彼らにやや近い表現?というか寄せにいってる感が強くて内心にやにやでした。
始めはどうしても作者が芸人の又吉ってことが頭から離れず読み進めるのに苦戦したし、
小難しくて古臭くてめんどくさい表現はさらっとかわしながら読了。
後半はなかなかのスピード感で楽しめました。どんなに光が当たって見える人にだって見えない苦悩があるもんだ。なんだか生きるってつらいしせつないなーって涙ほろりしそうになりました。
直木賞受賞作品の特徴でもある、意外な結末があるのもお楽しみに。
3.殺戮にいたる病 我孫子武丸 初版発行1992年
これは叙述トリック作品の最高峰ともいわれているそうです。
読書好きの友人に勧めてもらいました。
初めてこんなにも残虐でグロテスク表現が終始盛り込まれた作品を読んだかも。
もしかしたら自分の息子が連続殺人事件の犯人かもしれない・・・という冒頭から始まります。
母、息子、元刑事の三人の視点が時系列でかわるがわる繰り広げられます。
最後の最後にどっひゃーーーーーー!となるような結末。
これが叙述トリック作品か、、、と唖然とする結末にこうご期待。
注意しておきますが、性的で過激な表現が多々あるので、そういうのが苦手な方はご遠慮ください。
ただ、小説を読む醍醐味は実感できます。
作者の頭の中というか、精神状態大丈夫?ってくらいサイコパスな内容。
最近なんか面白い本ないかな~?ってひとに一度は読んでもらいたい。
これを機にサスペンスものにはまりそうです。
ちなみに私は小説の発行された年を最後に確認します。
小説ってだいたいその時の時代背景も物語に反映されているから、本を読み終わったときにこの時はどういう時代だったんだろう?って世の中の情勢を知ったり、生まれるずっと前の時代について想像したりするのも楽しみだったりします。
映画もそうやってみると面白いからすき。あ、今度は映画のことも書いてみよう。
以上、お勧めの小説でしたー。
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