あんぱんまん

アンパンマンのマーチの歌詞が深い。

洗い物しながらふと口ずさんでて気がついた。

歌詞を長いこと聞き流してた。



先日NYに長年住んでいて、同世代の子を持つ親通しの会話を耳にした。

ひとりは大学生の子を持ち、絵の学校へ通いながら働く女性A。

もう一人はシングルマザーとして娘を育てたキャリアウーマンB。


A「娘さん大学卒業した?」

B「したよ~!今はテレビ局に勤めてる!」

A「え?医学部を卒業したんじゃなかった?!」

B「そうそう。小さい時から彼女はサイエンスが好きだったし、音楽にも興味があったの。何かを情報発信することにも興味があって結局テレビ局に就職を決めたの」

A「そうなんだね。実は娘が大学を編入する予定なの。始めに入学した大学は合わなかったみたいで。子供の夢は変わるものだけど、高い学費を払って、もし就職先は全く違うところへ進むってなった時、自分はどうこの気持ちを消化したらいいか、今から心配なんだよね。Aさんは娘さんの進路を聞いた時どう思った?」

B「彼女が決めたことだからね。親として、どんな形であってもいいから子供が自立してもらえればそれでいい。やりたいならば自分が責任を持つこと、もちろんお互い話し合いをしたうえでね。彼女がどれだけやりたいのかも知ったうえ。だからどんなにお金がなくてもどうにかしてきた。彼女もそれに応えるように頑張ってきた。医学部だったから年間6万ドルの学費も、結局本人の頑張りでスカラシップの援助も受けることもできたし。娘にはお母さんには最高の教育環境を与えてもらったと思ってるってよく言われるの。」

「親が歩いてきた道から子供が大きく外れることがないようにいちいち子供の行く先を正していたら、それは親からしたら安心だよね。だってそうさえしていれば今の自分のように生きられると思うもの。ただ子供は自分とは別の人間だから。彼女の人生を生きてもらわないと。本人が経験して感じないと。仮にもしそれでなにかあった時には、あの時お母さんがこう言ったじゃない、ああ言ったじゃないってってなるでしょう。」

「彼女は結局医学の道へは進まなかったけど、テレビ局の仕事でも医学の知識は生きてるみたい。彼女もこれまでやってきたことは無駄じゃなかった、私、ぶれてないからお母さん、って。私も彼女がどれだけ勉強してきたか知ってるし、苦労してきたのを知ってるから。」

「最後は親がどれだけ子供のことを信頼できるかだよね。」


ものの10分くらいその中に居合わせただけだったけど、

こんな親子の信頼関係って素敵だな、て羨ましく感じた。



人との会話で思いがけない化学反応。

母親としてというか、ひとりの女性として素敵な人だなって思った。



~なんのために生まれて なにをして生きるのか

こたえられないなんて そんなのはいやだ~

(アンパンマンのマーチより)
















Abemi's Diary

NYC生活、音楽、ライフスタイル、写真、のアウトプット。

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